エコドライブへの第一歩
著者氏はよく名を目にする自動車ジャーナリストであり、メーカーが主催するエコドライブスクールのトレーナーでもあるので、現代のクルマに対応したエコドライブ方法を獲得することを期待して本書を購入した。
内容的としては、事前にwebCGサイトで同じ著者氏による動画が掲載されていたものを事前に見ていたので、それと比べて何かを得たかといえばそうでもなく、ちょっと拍子抜けしたというのが正直な気持ち。著者の主張はそれほど多くはない。
プラスとなった点としては、「ふんわりアクセル『eドライブ』」に代表される従来のエコドライブの問題点を取りあげ、クルマのパフォーマンスを引き出しつつもエコロジーを達成するという運転方法の勧めであり、クルマ社会全体ではその方が望ましいという著者の主張だと思う。
実車によるエコドライブの事例としては被験者によるテストコース上での状況が3ページにわたって掲載されてる。車輌はフォルクスワーゲンのゴルフ GT TSIで、2ペダルMTの変速機 DSGを採用した最新モデルである。
一方、残念だと思ったことは、言葉は優しいが文系風の文体で埋め尽くされたページや、同じ説明が何度となく繰り返されることに辛さを感じた。図表がまったくといってなく、トルクの話をしているのにエンジンの出力曲線が乗っていない。終始、頭の中で文字列を解釈することが求められる。
できれば章立てと言葉にメリハリが欲しく、また燃費を謳うからにはデータが欲しい。定量的な情報が乏しいために...
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